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夏の南九州 −砂蒸し温泉と芋焼酎を堪能編−

恒例の会話。
旦那「今年の夏休みはどこ行こか〜?あんまり休みも取れへんし、金もなし・・・」
妻「九州のおじいちゃん(おん年93歳)にも最近会ってないので、九州行こう。」
旦那「九州はよう行ったで。また福岡&熊本?」
そう、妻側の親戚の法事等でよくそっち方面には行くのである。
妻「じゃ、南に行って鹿児島だー。焼酎焼酎・黒豚黒豚&温泉♪」
旦那「AGREE」

というわけで、南九州に決まり。

2003年8月20日 出発

朝7時過ぎに家を出発。やっぱり平日旅行は、傍らにいる通勤客を尻目に優越感を味わえてええもんやな。お勤めご苦労さん。
羽田空港に着き、スタバで朝食を取って9:30発鹿児島行きに搭乗する。
11:10に鹿児島空港に到着。お、珍しくピーカンやな。幸先いいで。しかし、あっつうーーー。空気が南国そのものである。冷夏で慣れた身には一際こたえるわ。
さっそく空港でレンタカーを借り、高速に入って知覧に向かう。

自動車道から望む桜島と鹿児島の街 今回はトヨタ「IST」 佐多直忠氏邸の美しい庭園 人があんまりいない

知覧有名スポットその@は「薩摩の小京都」と呼ばれる知覧武家屋敷跡(国の重要伝統的建造物群保存地区)である。江戸時代中期に形作られ、道路にそった石垣と背の高い生垣、きれいに刈り揃えられた植木と枯山水の庭園が特徴的だ。周りの山を巧みに取り入れ、奥行きのある眺めを作ってます
平日の昼間でしかもクソ暑い1時頃だったのでガラ空き。入場券を売っているおにいちゃんの「二人でー、1,000円にー、なりもそー」と聞こえる発音に、鹿児島に来たことを実感する。

その後、車を飛ばして有名スポットそのAの知覧特攻平和会館に向かう。知覧は第2次世界大戦末期、沖縄に上陸せんとする米海軍を攻撃するための「特攻隊」が飛び立っていったところである。この平和会館には、沖縄の空・海に散った特攻隊員1,036人(一番若い人は中学生)の遺言・手紙・寄せ書き・遺品等が納められている。

平和会館・特攻隊員の肖像 海底から揚げられた海軍零式戦闘機

まず写真を見て驚かされるのが、隊員たちにあまり悲壮感が見られないこと。近所の人との交流や、笑顔で腕相撲をして出発の時を待つ隊員。「一撃必殺」「笑って征きます」などと書かれた手紙・・・。
 しかし、家族へ宛てた手紙を読むと、その勇壮な言葉とは裏腹の、父・母や兄弟に対する深い愛情・感謝の気持ちが伝わってくる。半ば強制的に志願させられ、機体の不良で帰還しても「臆病者」と言われる狂った雰囲気の中、家族を守るために散っていった少年たちの複雑な感情が込められている。
自分だったらどうしただろうか?さぞや無念だったに違いない。ここに来て涙を流したり、自分の身に置き換えていろいろ考えることはとても貴重な体験です。沖縄の「ひめゆりの塔」とともに、機会があればぜひ立ち寄ってほしいと思います。

外の明るい日差しと重い感情とのギャップを抱えながら、車を南下させ、次の目的地の池田湖に到着する。ここはネス湖のネッシー・屈斜路湖のクッシーと並び、世界三大怪獣のイッシーが棲んでいるところとして有名である(ウソ)。我々はたまたま陸上に上がったイッシーを目撃したが、次はぜひ泳いでいるところを見てみたいもんである。
近所を歩くと、夏真っ盛りなのにコスモスのような花が咲き、水深233mの青い湖水とのコントラストが絶妙である。遠くには標高924mの開聞岳(かいもんだけ)がそびえている。雲の笠を被っていてホンマの富士山みたいやな。

上陸した凶暴な怪獣「イッシーくん」 「薩摩富士」と呼ばれる開聞岳を望む 長崎鼻から見る開聞岳

次は、薩摩半島の最南端である長崎鼻というところを目指す。近くの駐車場から歩くと、周りにソテツやヤシなど南国の植物が増え、いやがおうにも雰囲気は盛り上がってくる(何の?)。ここから見える開聞岳は絶景。
ここから少し歩き、先端の灯台まで歩く。ここまで来ると、対岸の大隈半島やはるか先の屋久島まで見渡すことができる。

大隈半島。風力発電の羽根がいっぱい 屋久島が見えるかな? 夫婦で蒸されるの図。パラソルは小道具

今日の観光はここで終了。宿泊先の「いぶすきフェニックスホテル」に到着。錦江湾を見下ろすロケーション、掛け流しの温泉もさることながら、指宿といえば「砂蒸し温泉」で決まり!
指宿には、世界でもここにしかないという「地熱を利用した砂の温泉」というのがある。浴衣を着て、少し掘った砂の上に寝そべり、上に温泉を含んだ砂をたっぷりかけてもらう。背中・おしり・足に湧き上がるような地熱が感じられ、砂の重みで暑くなってくる。手の先・足の先の血管や心臓がドクドクいいはじめ、汗がどっと吹き出してくる。血行が良くなり、老廃物の除去作業が活発化されるんやって。見た目は「海岸で埋められている海水浴客」とイコールだが、健康度は全然違う。15分後に出て、すぐ横の露天風呂の横で砂を洗い流し、温泉につかる。やー、極楽極楽。結構歩いたのに、足の疲れが取れてるわー。この効能は凄い!
晩飯の時に頼んだ芋焼酎のロックが「おひや」のように大盛だったためその場では飲み干せず、部屋に持って帰って飲んでそのまま就寝。ちなみに銘柄は「さつま無双」でした。

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2003年8月21日 2日目

さあ、きょうもええ天気や。気合入れて出発!の前にひと風呂浴びて、朝飯食ってからにしよう。お、この「豚みそ」ちゅうのは美味いな。酒飲みのK友にでも買ってったろ。

ホテルを出て最初に立ち寄ったのは、屋久杉グッズを売るお店「木彫庵」。素朴な店構えだが、一歩入ると木の香りが心地いい。値段もリーズナブルなので、家用・お土産用にと色々買えました。

屋久杉に囲まれる高いものは高い 後ろに見えるは知林ヶ島 指宿市内を見下ろす

その後、標高215mの魚見岳へ向かう。途中まで車で上り、最後は道なき道を切り開いて汗だくになりながら頂上に着くと、横に階段があったりしてちょっとなえる。誰もおらんのやし、看板くらい出しとかんかい。しかし、汗をかいただけあって見事な眺望。海の青がとても美しい。干潮になると歩いて渡れるという「知林ヶ島」や指宿市内がよく見えてナイスでした。

ここで指宿に別れを告げ、次なる目的地の桜島に向け、鹿児島湾沿い国道226号線を北上する。美しい海を眺めながらのドライブは気持ちいい。1時間あまりで鹿児島港に到着。フェリーターミナルの駐車場に車を止め、船に乗って桜島に上陸だ!このとき間違えて車のままフェリーに乗りそうになり、あわてて駐車場に行ったのだが、そのまま乗ればよかったと後悔することに・・・。

こんな感じのに乗る 桜島を撮るカメラマンの背中 烏島展望所。結構噴煙が上がっている
いたることろ溶岩だらけ

フェリーに乗ること約15分で桜島に到着。あんまり時間もないし、近場の展望台まで歩いていこうと思ったんが間違い。12時前後のクソ暑い(気温35℃)さなか、街灯が全部桜島大根の形になっているのを笑う余裕が最初にはあったが、30分後「烏島展望所」に到着した頃はフラフラ気味。
ここはその昔独立した島(烏島)だったが、大きい噴火が起こった時島全体が溶岩に覆いつくされ、陸続きになってしまった場所である。

なんて説明を見るのに、日差しさえぎるものが無いところではつらい。早々に立ち去りまた30分かけてフェリー乗り場に戻りましたとさ。あのまま車で来ていれば・・・



車に戻り、昼食がてら西郷隆盛像を見に行く。ここで初めて「鹿児島ラーメン」(at「ラーメン鷹」)を食する。スープは豚骨を主体とするがそれに鶏ガラなどをブレンドしたあっさり系でなかなかいける。
西郷どんは結構小柄やね。「西郷隆盛像」という字は、バルチック艦隊を破ったことで有名な東郷平八郎の書らしいです。

オッス!西郷どんでごわす 仙巌園より桜島を望む 尚古集成館

いったん市内を離れ、仙巌園に向かう。こちらは1658(万治元)年19代島津光久の代にこの地に別邸を構えたのが始まり。重厚な正門、勇壮な御殿、獅子が乗る大石灯篭などが美しいが、なぜかここには、幕末28代島津斉彬の時代に造られた反射炉(初期の製鉄炉)の跡があり、業界関係者の必見ポイントとなっている。隣の尚古集成館(仙巌園と入場券共通)には、この反射炉で造られた大砲の砲身やいろんな鉄製品が置かれ、明治維新以降の産業革命の一端を知ることができる。

今日の観光は大体終了。城山にある「城山観光ホテル」が今日のお宿。途中に城山の公園があるから、そこに寄ってくか。
城山は西南戦争最後の激戦地。周辺には西郷隆盛ゆかりの遺跡が数多くある。その中の一つ「撮影用顔入れボード」(ってゆうんか?)を体験し、西郷在りし日を偲ぶ。
ホテルはさすがに一等地にあるだけあって、ちゃんとしたシティホテルである。超ラフな格好が周りのビジネスマンと一線を画して浮きまくっている。温泉もちゃんとあるけど、その前に「芋焼酎利き酒コーナー」があるのが鹿児島らしい。

今日は晩飯が付いていないから外に食いに行こう!ということで本場の黒豚しゃぶしゃぶを食べにタクシー飛ばして「寿庵」(じゅあん:鹿児島市荒田1-62-13)に向かう。しっとりした庭があったりして和風の造りでこりゃ落ち着くわい。
で、食したシャブはとってもおいしゅうございました。かごしま黒豚は、指定された生産者のみ名乗ることを許される、豚の世界の「松阪牛」。さつまいもを食って大きくなった黒豚ちゃんは甘く、味わいのあるシャブに生まれ変わるのです。いや、来てよかった。これで一人2,800円のコースは安いでっせ。
食後の一杯は店を変え、鹿児島市内の「焼酎BAR 久保田屋」(鹿児島市千日町13-3 ロダンビル5F)に突入する。

西郷どんと小学生?大根?why シャブる顔もほころぶうまさ 村尾だ!小牧だ!萬膳だ!じゅる・・

店の中は結構暗めで、BARのようないい感じ(あ、一応BARか)。入り口近くはカウンターで、目の前に焼酎のビンがずらっと並べられ、反対側にテーブル、奥に座敷がある。迷わずカウンターに陣取り、見たこともない銘柄のラベルを見て興奮する。
店員さんが来た。あら、お姉さんなのね。それも我々より確実に若そう。メニューを見ると、「や、安い!!」基本的に何でも1杯400円で、「森伊蔵」「村尾」などの超プレミアム焼酎でも600円やって!!うー、鼻血出そう。
気を確かに持ち直し、さんざん悩みぬいた結果、600円カテゴリーの中で一度飲んでみたかった「爆弾ハナタレ」をオーダー。「なんじゃそりゃ」という人に解説。「ハナタレ」とは鼻から出る液体のこと、では当然なく、焼酎のもろみを蒸留する過程で最初に「たれ口」より出る部分を「初垂れ(ハナタレ)」というのである。高アルコール度(45度前後)・冷凍庫に入れても凍らないとろみ・フルーティーな香りが特徴だ。これをロックでチビチビやっているともう気分は爆発だ!、となる。
もう1杯は、お姉さんお勧めの「千亀女」という銘柄を飲む。これは普通の焼酎で、芋の香りがやや強めでしっかりしている。なかなか売っている店が少ないらしく、お姉さんにマル秘購入スポットを教えてもらって店を出た。


ハナタレ爆弾の直撃を受けたため、その日は温泉に入ってとっとと寝る。

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2003年8月22日 3日目

爆弾の後遺症はほとんど無く、爽やかな目覚め。今日は鹿児島を離れて、熊本の親戚の家に向かうのである。

まずは、昨日「久保田屋」のお姉さんに教わったマル秘購入スポットに行くため、国分市の「サティ」に立ち寄る。そう、あのスーパーのサティである。「こんなとこにあるんかいな?」と半信半疑だったが、中の酒屋に入ってみると、あるわあるわ!壁面いっぱいに芋焼酎が並び、早くもアドレナリンの分泌量が増加する。昨日飲んだ「千亀女」と、初垂れの「破壊王」という銘柄を買う。しかし、何で初垂れは「爆弾」だの「破壊」だの、物騒なネーミングが多いんやろか?

店を出、黒豚さんで有名な霧島高原へ向かう。

ひたすら静かな山中 霧島屋久国立公園「大浪池」 黒豚でなく小鹿がお見送り

霧島高原にはトレッキングポイントがいくつかあるが、立ち寄り観光客でもしんどくない「大浪池」へ行こか。道路沿いの登山口より約40分。周りはうっそうとした森、倒木に抹茶のような苔がむし、野鳥のさえずり以外に音が全くしない。すれ違う人もほとんどいない。たまに「ガサガサッ」と何かが走っていく音がする。
久々に森の空気を深呼吸し、汗をかき始めた頃に「大浪池展望所」に到着。ちょっと曇ってて、「韓国岳」の全景が見えず残念。
しばらく休憩し、登山口に戻ったところで鹿の親子に遭遇。さっきのガサガサはこの親子やったんかも。
近くのレストハウスでお土産を探していると、「足湯」を発見。老若男女を問わず、ひざまくりをして気持ちよさそうに足をつけている。登山で少し疲れた足を休めるべく、我々も早速タオルを購入しその輪に参加する。
しかし、温泉の力って凄いね。この足湯のおかげで疲労感はなくなり、翌日も筋肉痛などせず快調快調。一家に一台ぜひ足湯を。

ここからは車を飛ばし一直線に熊本市内へ。八代ICで降りて下道を少し走り、遅い昼飯でも食うか。と思ったが、延々と田畑が続きなんにも店があらへんやん。しかもこの暑さはなんやー。息を吸うと、熱気ムンムンの空気が飛び込んでくる。九州一暑い熊本は、フツーに36度前後ある熱帯でした。さすが「火の国」と呼ばれるだけあるわ(ちょっとちゃう?)。
何とか途中で見つけたラーメン屋で長崎ちゃんぽんを食い、熊本市内中心部、水前寺公園近くの親戚の家に到着。

おじいちゃんを囲み、夕食開始。来たときにいつもいただく「馬刺し」は超美味、おかげで地酒「美少年大吟醸」や「黒糖焼酎」などの魅惑的な酒が進む進む。酒が強い九州人に囲まれ、次第にペースを失っていく旦那。「ま、明日は帰るだけやし」と覚悟を決め、好きなだけ飲むことにした。いつものように、その場は楽しく飲み、近くにあるおじいちゃんのマンションで就寝。

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2003年8月23日 4日目

案の定、撃沈である。頭痛がひどくて起きられない。親戚の家に来てまで寝続けるのもどうかと思ったが、しゃあない、昼まで寝かしてもらおう。皆さんは全然普通に起きて朝から元気だそうで。おそるべし北村家のDNA。
昼頃えっちら起きて親戚宅へ向かう。こちらのお宅はすぐそばを清流が流れ、向かいの公園の緑がまぶしく、とても市内とは思えない環境が素晴らしい。
さすがに腹も減ってきたので昼食を何とかいただき、帰る準備をする。熊本空港は市内から数十分と便利な位置にあるため運転も楽である。皆さんにお別れを言い、空港へ車を走らせる。15:55発羽田行きに搭乗し、無事東京に着いた。


鹿児島は黒豚、さつま揚げ、芋焼酎などグルメにはたまらんところでした。温泉もあるし、冬に行っても(というより冬の方が)ええでしょう。夏は暑すぎ。